# 特許権の基礎
# 特許権の概要
- 産業財産権の1つで、発明を排他的かつ独占的に使用する権利です。
- 特許登録しなければ効力は発揮されません。
# 特許登録の要件
- 特許の登録には5つの要件があります。
- 特許法における発明であること
- 特許法29条の特許要件を満たすこと
- 不特許事由に該当しないこと
- 先願であること
- 公報掲載または出願公開されていない発明であること
# 特許法における発明
- 発明には4つの要件があります。
- 自然法則の利用: 自然科学の反復性があること
- 技術的思想:知識として伝達できる客観性があること
- 創作性: これまでなかったものを人為的に作り出していること
- 高度性: 実用新案と区別するための要件
# 特許の有効期間
# 特許法29条の特許要件
- 特許登録のためには特許法29条が示す3つの要件を満たす必要があります。
- 産業利用可能性: 産業に利用できる発明であること
- 新規性: まだ社会に知られていないアイデアであること
- 進捗性: その分野の人が容易に発明できないこと
# 新規性の喪失事由
- 次の3つの事由に1つでも該当すれば新規性が喪失したものとみなされます。
- 公知: 発明が特許出願前に知られることです。守秘義務を持たない1人に知られれば公知と判断されます。
- 公用: 発明が特許出願前に実施されることです。
- 公衆利用可能性: 刊行物やインターネットによって公衆が利用可能になることです。
# 不特許事由
# 先願特許
- 特許法は先に出願した人の申請を優先する考え方があります。これを先願主義と言います。
- 異なる日付で同じ内容の特許申請があった場合は、先に出願した人の特許が優先されます。
- 同じ日に同じ内容の特許申請があった場合は、当事者の協議によっていずれか一方のみが特許登録されます。
# 特許を受ける権利
- 特許登録前に発明者が有している権利のことです。
- この権利は発明の完了と同時に発生し、発明者個人(自然人)に帰属します。
- なお、法人は自然人ではないので発明者になることはできません。ただし、権利を譲渡して受け取ることができます。
# 権利の譲渡
- 特許を受ける権利は他の人に譲渡することができます。
- 権利の譲渡は3つの種類があります。
- 予約承継: 契約や就業規則によってあらかじめ権利譲渡を定めておく手法です。
- 一般承継: 相続や会社合併による権利の譲渡です。
- 特定承継: 売買などによって権利を譲渡することです。
- 一般承継および特定承継は、承継人は遅滞なく特許庁長官に届け出なくては効力を発揮しません。
# 冒人出願
- 特許を受ける権利を持たない人による出願のことを言います。
- 本来の権利者は、冒人出願をした人に対して特許権の移転を請求できます。
# 共同発明
- 複数人で行った研究で成し得た発明は、その全員が特許を受ける権利を共有します。
- 特許を受ける権利を譲渡しようとする場合、権利者全員の合意が必要になります。
- 共同発明の特許を受ける場合、他の権利共有者と共同でないと出願できません。
- 特許の実施は、他の共同権利者から許可を得なくてはなりません。
# 職務発明
- 発明のうち、現在または過去の業務に属するものは職務発明と言います。
- 職務発明は次の3要件を満たしたものをいいます。
- 性質: 会社の業務範囲での発明であること。
- 経緯: 現在または過去の職務に属する行為での発明であること
- 主体: 従業員による発明であること
- 特許を受ける権利
- 就業規則等にあらかじめ定めることによって、権利を最初から会社のものとすることができます。
- 法定通常実施権
- 職務発明に該当する場合、使用者(会社)は当然に通常実施権を持つものと判断されます。
- 専用実施権
- 予約承継(就業規則等)にあらかじめ定めることによって、使用者(会社側)に専用実施権を設定することができます。
- 専用実施権の移転を定める場合、従業員は相当のインセンティブを得ることができます。
- インセンティブは経済価値があるものでなくてはなりません。
- OK: 昇進・昇格、金銭、ストックオプション等
- NG: 表彰、名誉を称える
# 特許登録
- 特許は、出願・審査・特許査定・特許料の支払いを経て登録されます。
# 出願書類
- 出願書類(願書)を作成して特許庁長官に提出することで出願となります。
- 願書には以下の情報を記載します。
# 出願公開
- 出願から1年6ヶ月が経過した場合、審査状況に関わらず出願内容が公開される制度です。
# 実用新案権に基づく特許出願
- 実用新案権を有する人は、それに基づいて特許を出願する権利を持ちます。
- ただし、実用新案権の出願から3年が経過している場合は特許出願ができません。
- 特許出願にあたって実用新案権は放棄しなくてはなりません。
# 特許料の納付
- 査定が実施された結果、出願人に特許査定謄本が送付されます。
- 特許査定謄本が届いてから30日以内に3年分の特許料を払うことで特許権を得ることができます。
以上