午後2で提出した論文

わたしの合格答案(ITストラテジスト試験)

合格までの道のり

わたしがITストラテジストに合格するまで、3年かかっています。落ちても諦めなければ受かるということです。

2022年(1回目)

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1回目は論文評価があと一歩で落ちました。 論文の文字をきれいに書こうとしていたら、2時間の論文試験が残り30分という時点で、まだ設問イの中盤あたり(半分くらい)を書いていたことを覚えています。間に合わないと思い、とても焦りました。そこから一度も消しゴムを使わず、文字が汚くても一応は最後まで書き切ることができたのは自分でも信じられません。しかし結果は残念です。

これは試験前に時間を測って論文を書く練習をしていなかったために起きた事故です。1回でも良いから、本番を想定して、きれいな字で、時間を測りながら、論文を書きあげる経験をしておくべきでした。本番で焦ると実力を出せません

2023年(2回目)

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2回目は、わたしを慢心が襲いました。1回目の結果は「あとは論文さえクリアできれば合格できる」とも思わせる内容でした。だからこそ論文だけに注力して勉強に励み、午後Ⅰを軽視した結果、起きるべくして起きた事故です。

ちなみに、この年度の午後Ⅱは「業務改善」に関する問題でした。用意してきたいわゆる”攻めのDX事例”とはマッチしない中、時間いっぱい悩み、どうにか納得のいく論文を提出できました。でも、足切りの人は採点すらされません。悲しいことです。

論文に注力するのは良いのですが、論述や午前問題も準備しなければ事故が起きる、ということを身を持って知りました。

2024年(3回目)

ありがとうございました。

https://x.com/koz_sec/status/1808706867755167940?s=46

戦いの照準は午後Ⅱの論文

ITストラテジスト試験は4部構成になっており、午前I(4択)、午前II(4択)、午後I(論述)、午後II(論文)です。このうち午後II(論文)だけは答えが公表されていません。論文は自身の経験をもとにした内容を書くよう求められており、人によって答えが違うので当然です。

答えのある問題は、何度も解けば本番でも解けるようになります。慢心しなければ大丈夫なはずです。しかし午後Ⅱの論文はそうもいきません。この記事では午後II(論文)だけに論点を絞ります。

わたしの合格答案

2024年の試験で提出した答案を公開します。試験の後にIPAに開示請求を行い、提出した答案のコピーをもらいました。下記リンク先は実際に提出した論文の内容そのものです。

恥ずかしいけど参考にどうぞ。

わたしの合格答案(ITストラテジスト試験)

論文作成の流れ

わたしは、2024年に提出した自分の論文が合格レベルに達しているものなのか懐疑的です。でも結果は合格となっています。多少文字が汚くても多少ストーリーがぶれていても、合格できるのです。きっと、わたしが用意したルールがうまくはまったのでしょう。

わたしが守った4つルール

ルール1: 問われていることに答える

設問で問われている内容とマッチしたことを答えるように心がけました。論文の構成を考えるときに重要視するルールです。

例えば、「令和6年午後Ⅱ 問1 設問イ」の設問は次のとおりです。(青文字が大事なところです。)

設問イ 設問アで述べた新たな情報技術について,施策の実施に向けて,あなたはどのような机上確認と技術検証を行なったか,その結果工夫したこととともに,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

情報源: https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/m42obm000000afqx-att/2024r06h_st_pm2_qs.pdf

この設問文から、記載すべき大項目を作り上げます。

「工夫したこと」は本文の中に散りばめる要素と思われます。

第二章 **施策の実現に向けた検証とその結果**
2.1 **施策の実現に向けた検証**
 〜ここに本文〜

2.2 **検証の結果**
 〜ここに本文〜

このような章の構成を第1章、第2章、第3章でそれぞれ用意します。

章の構成が出来上がったら、次は本文の内容を検討します。

問題文を読むと次のような記述があります。これは設問イの「机上確認と技術検証」を更に深掘りするためのヒントでもあり、それを書きなさいという指示でもあります。(青文字が大事なところです。)

施策を実施できるかどうかについて,机上確認と技術検証を行う。例えば,業務要件への適合性,業界における規制への対応,性能・拡張性・セキュリティなどの非機能要件への適合性情報技術の利用における継続性などについて机上確認し,

整理すると次のような要素を論文に含めることを期待されているとわかります。

第二章 施策の実現に向けた検証とその結果
2.1 施策の実現に向けた検証
    - **業務要件への適合性** に関する話
    - **業界における規制への対応** に関する話
    - **非機能要件への適合性** に関する話
    - **情報技術の利用における継続性** に関する話

2.2 検証の結果
 〜ここに本文〜

論文を書くためのメモ書きはこんなところです。このメモをベースに本文を書き上げていきます。

(業界における規制への対応、は思いつかず書くのを諦めました)

2.1 施策の実現に向けた検証
〜
特に、**①業務要件への適合性**、**②非機能要件の適合性**、**③情報技術の継続性**を確認した。
検品**業務の要件**は〜〜である。
**非機能要件**としては〜〜である。
**情報技術の継続性**としては〜〜である。
2.2 検証の結果〜
 これらの**検証を行った結果**〜〜と判断した。

全部の要素について答える必要はないものの、なるべく多くの要素に答えることがわたしのルールです。

ルール2: ネタバレ次回予告をする

各章の終わりの言葉として、次の章で述べることを説明するようにしました。きっと読み手にとって、次の章に移る際の心構えができるようになったのではなかろうか、と思っています。(それが評価されるかは不明)

私は合格論文の中で次のように記載しています。

設問ア(第一章)の答案における最後の文

 このような背景により**AI技術の検討をはじめ**、施策の実行をすることとした。施策実行にあたり、**次に記述するように技術検証を行い、業務への適合性などを確認することとした**。

設問イ(第二章)の答案における最後の文

 私は**この検証結果**をもとに、**経営層へ本番導入に向けた提案を行う**こととした。

このように**「この章ではこのようなことを述べました。次はこれです」という説明文**を書いていました。文章のアレンジが簡単で書き足したい行数に合わせて文量を増やしたり減らしたりすることが容易です。文字数の制約がある試験なので、そこら辺をうまくやりくりするテクニックでもあります。

ちなみに、設問ウ(第三章)は次の章がありませんが、残課題を書いて終える、ということをあらかじめ決めていました。

設問ウ(第三章)の終わり

 改善の結果をまとめて経営層に説明し、導入の承認を得た。今後は**学習データの見直しなどで判定精度を高め、他工場への導入を進めていくことが課題**である。
ーー以上ーー

これが加点されるかどうかは分かりません。**「俺たちの戦いはこれからだ」**風に終わるようにしました。答案では触れなかった要素について採点者は「この観点が抜けているんじゃない?」と思うでしょうから、「考えているけどあえて触れなかったんだよ」というITストラテジストらしい能力をアピールすることにつながるのではと思います。

繰り返しますが、これが採点に影響するかはわかりません・・・。

ルール3: 「そこで私は、」を使う

特に設問イで注意する書き方のルールです。「ITストラテジストらしい工夫」はいつも問われますので、それを書き漏れないように気を付けるテクニックです。

ついつい「新しい●●の施策を検討した」→「問題ないことを確認した」という流れでうまくいった話を書いてしまいそうになります。でもITストラテジストとしては、多面的に物事を見て、課題を見つけて解消することが求められています。

次のような流れで論じていくことが望ましいです。

  1. 新しい施策を検討する
  2. 障壁や課題を発見する
  3. 施策の工夫、または努力によって乗り越える

論文には、うまくできたこと、結果、事実だけを淡々と書いてしまうと、工夫が読み取れず高い評価は得られません。「××をしようとしたら、〇〇の課題がありうまくいかなかった」というネガティブなことを意識的に書きます。その直後に**「そこで私は、」**と続ける書けば、工夫したことを書くことができます。

実際に私は、合格論文の中で次のように記載しています。

しかし判定基準の言語化も難しく、100%の精度を求められる要件であった。**そこで私は、**新システムの用途を不良品を検出するのみに限定し...
ただし、万が一に備えて障害などに対応する体制も必要であると考えた。**そこで私は、**B社に要件を伝え、バックアップの構成を準備することとした。

課題を書くときは**「しかし」とか「ただし」**といった言葉で始めると、自然に制約条件を書くことができます。

その後に続く**「そこで私は、」**はとても便利です。この言葉を使って文章を書こうとしたら、自然と工夫が見える良い文章になります。